2017年6月27日火曜日

『勉強の哲学』千葉 雅也

 文藝春秋。副題「来たるべきバカのために」。
 「深く勉強をするというのは、ノリが悪くなることである」。今まで「ノリでできたバカなことが、いったんできなくな」る。「勉強の目的とは、これまでとは違うバカになること」である。さらにこんな風に言う。思考には、アイロニー=ツッコミとユーモア=ボケとがあり、それらの組み合わせで勉強が進んでいく。そして最終的には「来たるべきバカ」になる、と。
 なんのこっちゃという感じかもしれないが、著者はそのあたりのことをとても丁寧に説明してくれているので、読み進める分にはそれほど苦労はしない。なかなか面白い論点を持っていて、勉強に対するひとつの解釈として、これは「あり」なんじゃないかと思う。
 後半はこれらの論をもとに、実際の勉強はどうやって進めていったらいいかということを指南しているが、この部分は哲学でも何でもなく、ビジネス書みたいになっている。
 全体の話の底流には、ドゥルーズやガタリ、ラカン、ウィトゲンシュタインといった哲学者の思想が流れているのだけれど、あんまり難しく考えないで著者の思考の流れに乗ってみるのがいいと思う。それに賛同できるかどうかは別にして。

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