2018年1月22日月曜日

『ギターで覚える音楽理論』養父 貴

 リットーミュージック。副題「確信を持ってプレイするために」。
 ギターは弾けるけど鍵盤楽器が弾けないという人にとっては、ふつうの音楽理論の本はなかなか難しい。というか、書かれている理屈はわかるが、それをギターに応用して理解するのが難しい。ギターの弦は6本しかなくて、音の高さを決めるのは左手だけという制約があるからだ。そこでこの本の登場である。ギターに特化していて、ギターを弾きながら音楽理論が学べる。音楽理論をどのように実際の曲に応用していけばいいのかがわかる。タブ譜がついているのもわかりやすい。
 とはいえ、実際には結構難しい本だ。譜面の読み方とか音程の度数の数え方、キーなどの基本的なところはすっ飛ばしている。ギターの指板上のどこを押さえれば何の音が出るのかは当然知っていてしかるべきという立場だし、テンションを含めたある程度のコードの押さえ方は知っているものとして説明している。そこのところがまだまだという人は、もっと初学者向けの本を読むべきだろう。ただ、ピアノなどを長年弾いてきて音楽理論も大体わかっていて、単にギターを始めたばかりだからギターへの応用がわからないというだけの人には、いい本であろうと思う。理論を適当にごまかしてわかりやすく解説しているのではなく、きちっとポイントを押さえてごまかさずに解説してるからだ。ギターの特性を踏まえた上で、どう音楽理論を適用してギターを弾けばよいかがちゃんと書かれている。
 本書でも述べられているが、ここでいう理論とは西洋音楽の理論である。だから、ブルースなどは音楽理論からすると例外的な存在で、理論とは整合しないという。じゃあブルースは悪いのかといったらもちろんそんなことは言ってなくて、理論とは合ってなくても音楽的には間違いではないどころか、むしろかっこいいとさえ述べている。そんな理論とは合っていないブルースを、音楽理論的に解説しているところがまたおもしろいところでもある。音楽性というものは理論の先にあるものなのだということなのだと思う。でも闇雲に感性だけで音楽をやるよりは、音楽理論を知ることで音楽の引き出しが多くなるので、理論を勉強することに損はないということなのだと思う。
 私は一度読んだだけでは頭に入ってこなかった部分が多かったけれど、今後辞書的に何度もこの本を見返すことで、しっかりとした知識を身につけていきたいと思っている。音楽理論については、この本一冊を持っていれば私のレベルでは十分である。

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