2018年2月10日土曜日

『棟方志功展』北海道立近代美術館

 2018年2月3日~3月25日。「わだば、ゴッホになる。」。
 ふくよかな女性や仏像などの力強い板画で有名な棟方志功の作品を展示している。今回の展覧会を観るまで知らなかったのだが、棟方は自分の「版画」のことを「板画」と呼んでいる。その辺の彼の思いなどにも触れられておもしろい。手のひらに乗るような小さな作品から、『大世界の柵・乾』や『大世界の柵・坤』のような27メートルを超える作品まである。板画の中に岡本かの子や宮沢賢治、吉井勇などの文を取り入れて、文字と絵からなる作品も多い。作品によって切れのある文字だったり丸みのある文字だったりと、雰囲気を変えているのも興味深い。裏彩色という方法で色づけられた板画もきれいだ。でもやっぱり私は仏の弟子を刷った初期の『二菩薩釈迦十大弟子』が好きだ。
 実はこの展覧会で展示されているのは板画だけではない。絵の世界に入り始めた頃の油絵(印象派からフォービズムにかけてのフランス絵画の影響が見られる)や、晩年ゴッホに敬意を示して描かれた「太陽花」(ひまわり)シリーズの油絵、日本画風の倭画、書、リトグラフまである。リトグラフは『セントルイス柏樹』『ニューヨークにて』の2作品が展示されていたが、モノクロの抽象的な造形は現代的な雰囲気を持っていて、つい見入ってしまった。
 後年の棟方は、自分の仕事は他愛のないものにしたいと語っていたそうだが、彼独得の線の強さは変わらずそのまま続いていったように思う。いい展覧会だった。

北海道立近代美術館』札幌市中央区北1条西17丁目

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