2018年7月25日水曜日

『評価の経済学』デビッド・ウォーラー、ルパート・ヤンガー

 日経BP社。月沢李歌子 訳。
 企業でも個人でも、はたまた国家でさえも、他人からの評価に大きな影響を受けている。誰もが「評価ゲーム」に参加しているからだ、と著者は言う。ここでは「能力」に対するものと「性質」に対するものを分けて考えているが、全体として見た場合、それらがどのような評価を形づくっているのかについて論じている。
 著者がこの評価を決定している要素として挙げているのが、「行動」「ネットワーク」「ナラティブ(物語)」の3つである。この3つを軸として、古代ローマから現代に至るまでの多くの人物、企業、国家などを例にとり、「評価ゲーム」の内情をわかりやすく展開してみせている。
 そうやって評価についていろいろと議論しているのであるが、その評価を完全に管理することはできないのだと著者は言う。他人が自分をどう理解するかを操作できると考えることは危険なことだとさえ言う。では我々は指をくわえて何もできないのか。そうではない。他人の自分に対する理解に影響を及ぼすよう戦略を立てることはできる。そしてそこで大事になってくるのが、上で述べた3つの要素なのだと著者は結論づける。
 本書で取り上げられているのは有名人や著名人、大企業ばかりであるけれど、これを自分のこととして置き換えることはもちろんできる。評価ゲームに強い人間は明らかにいるのである。せっかく本書ではその秘密を懇切丁寧に教えてくれているのだから、これを実生活に生かさない手はない。当然、そんなに簡単なことではないけれど。
 なお、蛇足ではあるが、これのどこが経済学なのかはよくわからなかった。

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