2018年9月22日土曜日

『100円のコーラを1000円で売る方法』永井 孝尚

 KADOKAWA/中経出版。
  営業バリバリだった勝ち気な宮前久美が、自ら進んで商品開発部に乗り込み、上司である与田誠のもとでマーケティングの基礎を身につけていくという小説仕立てのビジネス書。
 宮前の企画や考え方はわりと一般の人に近いんじゃないかと思う。でもそれはマーケティングで失敗してしまう典型でもあって、ではどうすればいいのかが中学生くらいにでも十分に理解できるようにわかりやすく物語が進んでいく。実際のところタイトルの『100円のコーラを1000円で売る方法』というのはほんのちょっと軽く触れられている程度で、本書の目的はその方法を教えることにあるのではなく、あくまでマーケティングの理論を一般の人に気軽に親しんでもらうことにある。お客様の言いなりの商品は売れないだとか、値引きの作法、省エネルックは失敗したのにクールビズは成功した理由など、興味深い内容が盛り込まれている。
 この本に書かれていることはどの本にも書かれていることで新味がないなんて批判は、論点がずれている。この本はマーケティング理論を追究するものではなく、どちらかと言えば一般向けの啓蒙に近い本なのだから。マーケティングのとっかかりとして、とても入り込みやすい内容だと思う。個人的にすっきりしない読後感になったのは、この本には「2」「3」と続きがあるということを最後の方になって突然知らされたからである。

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