2018年9月3日月曜日

『水彩画 水を操る15のテクニック』石垣 渉

 日貿出版社。
 表紙に「ワンランク上を目指す」と書いてあるけれど、内容はそんなに特殊なものではなく、水張りの仕方とかマスキングの使い方とか基本的なことも多く取り上げている。だから初心者でもこの本は十分理解できるし、役に立つと思う。
 彼はとてもきれいな水彩画を描く画家で、この本の白眉も「水を操る」というところにある。透明水彩はコントロールできない偶然性が楽しいところでもあるわけだけれど、著者は偶然性には身を任せない。あくまでも水彩絵の具を思った通りに仕上げることにこだわり、本書ではそのための方法を丁寧に教えてくれる。そして中でも一番書きたかったことは、おそらく画面全体をむらなくきれいに塗るにはどうすればいいかということなんだと思う。そのための方法論は、薄く塗っては乾かしを10回以上繰り返すという単純なものだ。だから誰にでも真似できる。あなたにもきれいな水彩は描ける。
 とはいえ、10回以上も繰り返し塗り重ねるなんて考えたこともなかった。私の場合、塗り重ねるのは多くてもせいぜい3、4回。10回なんて気が遠くなる。せっかちな私には向かない技法なのかもしれないと、やってみる前からちょっとやる気を失っている。でも1回くらいは試してみようか。もしかしたら新しい世界が開けるかもしれない。

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