2019年1月6日日曜日

『細野晴臣 録音術』鈴木惣一朗

 DU BOOKS。副題「ぼくらはこうして音をつくってきた」。
 ミュージシャンである細野晴臣の音楽のつくり方について、細野のアルバム11枚にそれぞれ携わったエンジニア7人+細野本人へのインタビューを通じて浮かび上がらせようとした一冊。
 アルバムとエンジニアの組み合わせは以下の通り。『ホソノ・ハウス』-吉野金次、『トロピカル・ダンディー』『泰安洋行』-田中信一、『はらいそ』-吉沢典夫、『S・F・X』『メディスン・コンピレーション』-寺田康彦、『フィルハーモニー』『オムニ・サイト・シーイング』-飯尾芳史、『フライング・ソーサー 1947』『ホソノバ』-原口宏、『ヘブンリー・ミュージック』-原口宏、原真人。
 当時の録音について、微に入り細に入りものすごく細かく話し込んでいる(インタビュー主体だから「話し込んでいる」)。スタジオや機材はもちろんのこと、アプローチの仕方、録音時の雰囲気、細野晴臣とエンジニアとの関係等。そのインタビューだけでも当時の空気感が伝わってきて、まるで録音現場に居合わせているかのような感覚におちいる。ところが本書ではそれだけにとどまらず、各楽曲の楽器担当アーティスト名、マスターテープの写真、マルチトラック・テープやトラックシートの写真、スタジオの写真など、レアな資料がたくさん掲載されている。
 正直なところあまりにマニアックすぎて、機材の製品名とか海外アーティストの影響とかを書かれてもよくわからないというのが実際のところなのだけれど、そんな固有名詞なんか何も知らなくても、臨場感はとてもよく伝わってきて、とても楽しい気分になる。音楽のことをよく知らなくてもこうやって楽しめるのは、この本がホンモノである証拠なんじゃないかなとも思う。私が細野音楽に触れるようになったのはわりと最近のことで、本書で取り上げられているアルバムのうち5枚しか所有していないのだけれど、他のアルバムも聴いてみたくなった。ちなみに本書が出た後、細野は『ヴ・ジャ・デ』というアルバムをリリースしてますね。

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