2019年1月9日水曜日

『けっきょく、よはく。』ingectar-e

 ソシム。副題「余白を活かしたデザインレイアウトの本」。
 余白を有効に使うことで目に訴えるわかりやすいデザインができるということを、新人デザイナーがやりがちなNG例に対する改善例を示すことで教えてくれる。改善例はNG例の横にすぐ並べたOK例の他にも3、4例掲載されているので、レイアウトの正解は決してひとつなのではなく、ポイントを押さえれば無限の改善方法があることがよくわかる(NGなデザインも無限に存在するということではあるが)。
 対象として取り上げているのは、ポスターやフライヤー、商品パッケージ、名刺など多岐にわたっている。NG例、OK例に対してどこがポイントになっているのか解説しているのはもちろんのこと、目的に合わせたイメージに合う配色やフォントのおすすめが載せられているのが、他の類似本との差別ポイントになっているのではないかと思う。 例えばガーリーにするにはこんな感じ、エレガントにするにはこんな感じというように。
 実のところNGとして例示されているデザインは、結構その辺にあふれている気がする。だからそれだけを見たら、まあありだよねと思うのだけれど、OK例と並べてみるとその差は歴然で、プロの仕事というのはこういうことか、と納得してしまう。端的に言ってしまえば、NG例はダサくて訴求ポイントがわかりづらいのに対して、OK例は洗練されていて見ている人に内容が伝わりやすいデザインになっている。
 この本は、帯に「デザインは「余白」が9割。」と書かれているように、「余白」にフォーカスしたように見せかけているけれど、 実際には(本書の中で)余白の重要性の占める割合はせいぜい3、4割といったところという印象を受ける。余白を前面に打ち出してはいるのだけれど、結局は「内容をまとめる」ということだったり「配色を整える」ということだったりする。とはいうものの、本書の内容はとてもわかりやすく的を射ているので、デザインレイアウトの本としてとても役に立つ。「余白」の本というよりは、「デザイン」の本として、お薦めしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿