2019年1月8日火曜日

『【新版】UI GRAPHICS』

 ビー・エヌ・エヌ新社。副題「成功事例と思想から学ぶ、これからのインターフェイスデザインとUX」。執筆者:水野勝仁、渡邊恵太、菅俊一、鹿野護、萩原俊矢、安藤剛、有馬トモユキ、須齋佑紀、津﨑将氏、ドミニク・チェン、深津貴之、緒方壽人、iA、森田考陽。編集:庄野祐輔、藤田夏海ら。
 本書は『UI GRAPHICS(2015)』の新版ということで、テキストやデザイン例を大幅に刷新しているほか、アーカイブとして旧版のテキストも掲載している。UIはユーザー・インターフェイス、UXはユーザー・エクスピアレンス。
 コンピュータとヒトとをつなぐものとしてのインターフェイスデザインについての最近の動向、あるいは考察を述べた部分と、最近のコンピュータやスマホのソフトウェアのデザインの具体例を掲載した部分の、大きくふたつの要素から成っている。前者からは、iPhoneのデザインの変遷(スキューモーフィズムからフラットデザイン、フルード・インターフェイシーズへ)やGoogleのマテリアルデザインなどを例にとることで、今、コンピュータとヒトとの間ではどのように情報がやりとりされるようになってきたのかがわかる。また後者からは、実際のインターフェイスデザイン例を見ることで、ストレスフリーな、あるいはより自然なソフトデザインとはどういうものなのかを実感することができる。
 これらを読むと、現在のインターフェイスデザインは、「流れ」や「動き」というのがキーワードになっているのかな、という印象を受ける。私個人としては、iOS6までに採用されていた、現実の時計やメモ帳を模したスキューモーフィズムというものがとても好きだったので、iOS7以降フラットデザイン化が進んだときは、なんだかコンピュータがまたヒトの手を離れて独自の進化を遂げたような気がして悲しくなった。それはWindows 8におけるメトロデザインの採用とも軌を一にしている。今や多くの人が当たり前のようにスマホをいじれるようになり、現実っぽさを画面上に再現する必要が薄れてきたということなのだろうし、そっちの方がかっこいいということでもあるんだろうけれど、デザイン的にはそういう風に単純化された一方で、流れや動きによって、より直観的で自然なインターフェイスを目指しているという二律背反的な進歩の仕方というのは、とてもおもしろい現象だな、とも思った。
 本書ではソフトデザインだけでなく、ハードデザインやIoTなどにも触れられており、今後これらのUI、UXがどのように進んでいくのか、わくわくしながら想像を巡らした。その一端を自分も追いかけることができたら、これに勝る喜びはない。

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