2018年12月13日木曜日

『泥棒美術学校』佐々木 豊

 芸術新聞社。
 著者は油彩画家(だと思う。油彩以外の絵を私が知らないだけかもしれないが)。タイトルは、プロの画家も、いろんな人の絵やイラスト、写真などから、構図や色彩といったものを盗んで描いているんだよ、というところから来ている。
 画家といってもいろいろな作風があるけれども、それらを紹介しつつ、では著者はどうやって絵を描いているのかということを、実際に本人の口から解説している。何を描くか。イメージは?構図は?色彩は?絵肌は?といった感じで、絵が完成するまでの過程全体について、著者の考え方を披露している。
 彼の画風が好きかどうかは、かなり意見が割れると思う。実際私も好きかといわれれば、微妙と答えるだろう。また女性に対する偏見も多少感じられなくもない。とはいえ、絵について書かれていること全般に関しては、ほぼ著者の考えに同意する。彼の言うとおりに今までも描こうとしてきたし、これからもその方向性を見失わないようにしていきたいと思っている。今のところまったくその領域には足を踏み入れることができないからそう思うのだけれど。
 私がこのような感想を本書から抱くのは、もしかすると過去に受けた通信教育の影響かもしれない。というのも、著者は私が習っていた講談社フェーマススクールズのスーパーバイザーをしていたからだ(今、この学校は閉鎖している)。この通信教育の教育方針と佐々木の美術論が同一方向を向いていても何の不思議もない。というわけで、私個人としては当時の復習になったし、改めて初心に返ることができたので、この本はとても楽しく読むことができた。私のような万年初心者の人には読むことを勧めたいのはやまやまだけれど、ちょっとひいき目が入ってしまっているだろうから、推薦はしづらい。ご興味があれば立ち読みでも。

2018年12月9日日曜日

『憎まれっ子 世に憚る』あいみょん

 2015年。セカンドミニアルバム。7曲だけだけれど、そんなにミニという感じはしない。フルアルバム並の聴き応えはある。
 メロディや声は相変わらずいいです。ちょっとフォーキーなところもあるロックポップみたいな感じ。こういうキャッチーな曲の上に乗っている歌詞はいかにもあいみょんらしく、ドストレートな率直な10代女子の心を隠すことなくさらけ出している(このアルバムが出たときは20歳だったらしいし、実際にお酒を飲んだときの曲もあるのだけれど、全体的には10代という感じがする)。アコースティックギターのバッキングにエレキギターのリフがはまっている。
 私は言いたいことをオブラートに包むことが多いので、こういう感情を前面に押し出してくれる彼女の曲には憧れる。

『勘違いをなくせば、あなたのホームページはうまくいく』中山 陽平

 技術評論社。副題「成果を上げるWeb制作・ネット集客・販促戦略の心構え」。
 ホームページづくりのデザインの本だと思っていたのだけれど、そうではなかった。これはマーケティングの本です。
 ネット専門家(パートナー会社)との付き合い方、社内体制・ウェブ担当者についてのあるべき姿、ホームページを作る時に気をつけること(デザイン・コンテンツ)、広告やSEOについてのこと、アクセス解析の考え方、オフライン販促との関係性。そんな内容が、この本には書かれている。個別・具体的な話というよりは、ウェブを使った販促を考える前に考慮すべき心構え、考え方みたいなものについて書かれている。
 わりと当たり前の話ばかりに感じるけれど、確かに今までいろんなウェブサイトを見てきて、本書で書かれているようなことを実践していないがために、残念だなあと感じたり、あ、このページ見たくない、ここでは買いたくないと感じるサイトはよく見かけるかもしれないと思った。自分のサイトは販売促進のためのサイトではないので、必ずしもここに書かれていることをそのまま実践するには齟齬があるのだけれど、それでもまだまだ改善の余地はあるなと感じた。そもそも私のサイトは、存在の目的がよくわからないという致命的な欠点があることは痛感した。今度の冬休みは、ホームページのリニューアル構想を練ってみようか。

2018年12月5日水曜日

『有元利夫 絵を描く楽しさ』有元利夫、有元容子、山崎省三

 とんぼの本(新潮社)。
 中世のフレスコ画のようなマチエールと雰囲気を持った絵画を描いた有元利夫。彼は40歳になる前に病気で早世してしまったのだけれど、そんな彼を惜しむかのように本書は編まれている。なにしろカラー図版がとても多い。有元利夫の入門書といっていいくらいだ。そこに生前の有元自身や、妻の容子から見る有元利夫が語り尽くされている(山崎の文章はそんなに多くはない)。子供の頃から芸大時代、そしてサラリーマンを経て画家の道を辿る彼の人生が、ここにはある。その間、絵とどのように向き合ってきたのか。何を考えて生きてきたのか。それらが、飾り気のない素直な言葉で語られている。
 彼は油絵具じゃなくて岩絵具を使っていた。日本画というか仏画の影響があるらしい。でもマチエールはフレスコ画である。しかも本当に何百年も前に描いて年を経たかのような歴史を感じさせる。彼の作品の多くは、無表情で首と腕が太くて不格好な人物が不思議なシチュエーションの中に置かれていたりする。デッサンが狂ってると思う人もいるかもしれないけれど、そうじゃない。あのピカソだって、本当はデッサンの達人だったろう。
 なんともいえない捉えがたい雰囲気のこれらの作品を観ていると、まるで自分が現代でもなく中世でもない時代を超えた空間に身を置いているかのように感じる。そんなふうにこの幻想的な世界に浸っていると、ふいに自分が「絵を観る楽しさ」を味わっていることに気づく。そしてこのことは、有元利夫の「絵を描く楽しさ」に容易に反転する。
 有元ファンといわずとも、この「絵を描く楽しさ」を本書を読むことで味わってみてはいかがだろうか。

2018年12月2日日曜日

『ピースサイン』(米津玄師)をソロギターにしてみた

 米津玄師さんの『ピースサイン』をソロギターにしてみました。カポ3で原曲キーと同じE♭になります。原曲の雰囲気を残すことを心がけましたが、難しくなりすぎないように伴奏部分はシンプルにしています。たぶん初中級から中級レベルくらいです。
 ただ、メロディの音域がギターの音域とは相性がよくないので、本当なら4度か5度位上げてアレンジした方がアレンジの幅は広がったと思います。米津さんの曲は音数が多すぎて、ギター1本で弾けるようにするには、あんまり凝ったアレンジができないですね。