『絵が上手いより大事なこと』永山裕子、芸術新聞社
水彩画家である永山がQ&A形式で、絵に関する様々な質問に答えていく。
例えば、
- 絵を描くとき大事な心構えは?
- 画材に対するこだわりは?
- 絵画教室に通うメリットは?
- 等々
そんなに突飛な回答はないです。
ごく自然でごく当たり前な、として素朴な。
でもこういう回答を聞くと安心しますね。ああ、それでいいんだ。そんなに気張らなくてもいいんだ、って。
「自作を評価するポイントは自分がその絵を好きか嫌いでしかない。」
他人の評価は気にせずに我が道を行っていいという後押しをしてくれるみたいでうれしい。
あ、すごくはっとしたことがあります。
技法だけ上達して「上手いね」と言われるのは「技法のことしか褒められない現実」なのかもしれない。本当にいいときは「いい」「好き」って言ってもらえる、というような回答があった。
なるほどな、と思った。技術や技法をほめられるより、発想が面白いとか、あたたかくていい絵だね、と言われた方が確かにうれしい。
ちょっとQ&Aからは話がそれるんですが、この本には永山裕子さんの作品が120点以上、しかもカラーで掲載されている。モチーフと絵が比較できるように1枚の写真の中に収まっているものもあって、それもおもしろい。
永山裕子ファンならそれらの作品群を見るだけでも楽しいかも(私もそのひとり)。
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